ライデン(Raiden)はイーサリアムの「スケーラビリティ問題」を解決するのか?

ライデンネットワークとは

ライデンネットワークとは、簡単に言うと、イーサリアムの機能を拡張するオープンソースプロジェクトです。

ステートチャネル(State Channel)技術を活用

Raidenはステートチャネル(State Channel)技術を利用することで、Ethereumのペイメント機能における能力を大幅に拡張するものです。

ビットコインと同様、イーサリアムもスケーラビリティ問題に直面しており、イーサの送金には多くの時間や高い手数料がかかってしまっています。しかし、ライデンネットワークを活用することで、高速かつ手数料の低い送金が実現されるとのこと。

ライデンネットワークが完成した場合、イーサリアムの処理能力は大手クレジットカード会社の提供する決済システムよりも上になると言われており、送信が1秒未満で完了したり手数料が1/7となるとされています。

オフチェーン取引でブロックチェーンを介さない

ブロックチェーンは素晴らしい技術ですが、遅いという難点を抱えています。ビットコインにおけるライトニングネットワークのように、ライデンネットワークもブロックチェーンを介さないオフチェーン取引を活用しています。

ERC20に対応

ICO(イニシャル・コイン・オファリング)で良く使われるERC20トークンにもライデンは対応しています。

バランス・プルーフ(Balance Proof)という考え方

バランス・プルーフとは、2者間において、オンチェーンでデポジットしたトークンをやり取りすることです。両者がデポジットした通貨の残高を上限として、オフチェーン処理でやり取りを行います。

バランスプルーフにおいて、トークンのやり取りはデジタル署名とHTLC(ハッシュを使ったタイムロック)で安全に行うことができます。暗号学的にシンプルなトリックで安全性を保つことができるようになっています。

ライデンネットワークの問題点

ライデンネットワークの問題点を以下に述べます。

ルーティング問題

現段階では、ある特定のピアがハブ化してしまい、中央集権的な仕組みになってしまうことが問題点として挙げられています。

高額の送金に適していない

ライデンネットワークは、あくまで少額決済の手段として使用されます。

独自のICOを行うことを計画。ヴィタリック・ブテリン氏が反対

ライデンネットワークの開発者は、イーサリアム財団からの資金提供を受けていないため、資金を得るためにICOを行う計画があったようですが、イーサリアム創設者のヴィタリック・ブテリン氏はそれに対して反対だそうです。

ライデンネットワークが立ち上げたプロジェクト

ライデンネットワークが立ち上げた3つのプロジェクトは以下の通り、

マイクロライデン

ライデンのプロジェクトの一つで、非中央集権アプリケーション「Dapps」のデベロッパーがペイメントチャンネルを開くためのツールを提供すすることを目的としています。

ステートチャネル技術を使っており、ライデンネットワークの基礎的なビルディングブロックを使用しますが、「マイクロライデン=ライデンネットワーク」ではなく、マイクロライデンはライデンネットワークのシンプルな実装と捉えることができます。

マイクロライデンでは「ERC20」と「ERC223」に準拠した専用の「RDNトークン」を使用します。現時点では「RDN」のみの送金となりますが、今後、実装が進むに従い、「ERC20」と「ERC223」トークンを送金可能となる予定です。

ライドス

ライドスでは、取引データのみならず、スマートコントラクトに使用されるようなデータもオフチェーンで行います。

個人的な見解・考察

ライデンに関する個人的な見解および考察ですが、M2M(Machine to Machine)エコノミーの実現のための有効な手段にもなりうる一方、オフチェーンというのが個人的には少しひっかかりました。

もちろん、トランザクションを高速化するには、オフチェーンが良いのでしょうが、それではブロックチェーンにしている意味がないというか、なんか妙な違和感を感じていたりもしています。

とはいえ、ライデンが思い描くマシン to マシンのIoT社会が実現した場合、それはなかなか興味深いものだと思いますし、頑張って欲しいところではありますね。

参考文献

関連記事

  1. イーサリアムが移行予定のPoS(プルーフ・オブ・ステーク/Proof of Stake)とは何か?

  2. イーサリアムの主要なクライアントについて整理してみる。

  3. イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決する「プラズマ」とは何か?

  4. イーサリアムの大型アップデート「メトロポリス」について整理する。

  5. イーサリアム開発者向けイベント「Devcon(デブコン)」の概要について整理してみる。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。