イーサリアムが移行予定のPoS(プルーフ・オブ・ステーク/Proof of Stake)とは何か?

プルーフ・オブ・ステークとは

プルーフ・オブ・ステークとは、ビットコインで採用されているプルーフ・オブ・ワークの代替システムとして登場したコンセンサスアルゴリズムのことを指します。

プルーフ・オブ・ワークが計算量によりセキュリティを保護しているのに対し、プルーフ・オブ・ステークは資産保有量がセキュリティを保護します。

仕組み

コイン保有量と保有期間の掛け算で表されるコインエイジ(coin age)が大きいほど、簡単に鋳造を行うことができる仕組みになっています。

プルーフオブワークと同様、ハッシュ計算は実施されるのですが、ビットコインのような総あたり方式ではなく、コインエイジ(coin age)に応じて、ハッシュ計算の範囲が狭くなる仕組みを採用しています。

メリット

プルーフ・オブ・ステークのメリットは以下の通りです。

  • 51%攻撃に対する耐性を備えている
  • マイニングにかかる電気代が少ない

まず、1点目の「51%攻撃に対する耐性」についてです。

[box class=”box28″ title=”51%攻撃”]

  • 51%攻撃とは、悪意あるグループまたは個人により、ネットワーク全体の採掘速度の51%以上を支配し、不正な取引を行うことを指す。
  • 現時点において、51%攻撃に対する有効な対策はないとされているが、51%攻撃を行ったところで、期待した以上の利益が生まれないため、攻撃者にとっては、51%攻撃を実行するインセンティブがないとされる。
  • 2013年にはGhash.ioというマイニングプールの採掘速度が50%を超えそうになり、ビットコイン価格が値下がりした。

[/box]

プルーフ・オブ・ステークをコンセンサスアルゴリズムとして採用するブロックチェーン上のトランザクションを改ざんするためには、非常に多くのコインエイジ(coin age)が必要であるため、そのためには莫大な量のコインと長期のコイン保有期間が必要となります。

それゆえ、プルーフ・オブ・ステークは、プルーフ・オブ・ワークに比べて、悪意の攻撃者からの「51%攻撃」を受けづらい仕組みと言われているのです。

さらに、2点目の「マイニングにかかる電気代が不要」についてです。

プルーフ・オブ・ステークの場合、コイン保有量が多ければ、マイニングの難易度が低下するため、プルーフ・オブ・ワークに比べれば、消費電力が圧倒的に少なく、電気代が少なく済むという利点があります。

プルーフ・オブ・ワークをコンセンサスアルゴリズムとするビットコインをマイニングする場合、莫大な量の電力が必要ですが、プルーフ・オブ・ステークを採用する通貨の場合、マイニングのための電力をそれほど必要としません。

マイニングに必要な電力の供給につぃては、火力発電によって賄われている場合が多く、プルーフ・オブ・ワークによるマイニングは環境問題を将来的に引き起こすとの意見も根強く存在するため、そういった意味で、プルーフ・オブ・ステークが今後より支持を集める可能性はあるかもしれません。

[memo title=”MEMO”]

この問題を解決するために、2017年11月15日、オーストリアに本拠を置くスタートアップ企業のハイドロマイナーが、ICOを通じ、280万ドル(約3.14億円)を調達し、水力発電を活用してマイニングを行うための高性能コンピューターの開発を行っています。

[/memo]

デメリット

続いて、プルーフ・オブ・ワークのデメリットについて説明します。

ネットワークの流動性が低下する可能性がある

プルーフ・オブ・ワークにおいては、コイン保有量が多い方が有利なので、コインが溜め込まれてしまい、流動性が低下する可能性があります。

プルーフ・オブ・ステークを採用している仮想通貨

PeerCoin

Peer Coinはコンセンサスアルゴリズムとしてプルーフ・オブ・ステークを採用した最初の仮想通貨よして知られています。

Ethereum(採用予定)

イーサリアムもメトロポリス導入以降、プルーフ・オブ・ステークに移行することを予定しています。

イーサリアムクラシックはプルーフ・オブ・ワークを維持

一方で、イーサリアムクラシックはコンセンサスアルゴリズムとして、プルーフ・オブ・ワークを採用しています。また、2017年12月12日のハードフォークで、発行限度数に上限ができるそうで、価格の上昇要因となる可能性があります。

個人的な見解・考察

少し投資に関することについて個人的な見解・考察を述べます。

プルーフ・オブ・ワークについては、魅力的な側面もある一方で、その性質上、コインの流動性が低下してしまうことから、価格が上昇しずらい可能性が一部で指摘されています。

実際、著名な仮想通貨投資家の中には、プルーフ・オブ・ステーク銘柄は避けて、プルーフ・オブ・ワーク銘柄のみに投資をする方もいます。彼らによれば、仮想通貨の価値を決めているのはマイニングであり、マイニングの元になる電力、さらにはその元となる化石燃料が価値の厳選とのことで、マイニングを行わないプルーフ・オブ・ステーク銘柄は、プルーフ・オブ・ワーク銘柄に比べ、価格が上昇しにくいという理屈のようで、一定の説得力があるように思えます。

まあ、投資判断の一助として頂ければ嬉しい、という程度です。

関連記事

  1. イーサリアムの大型アップデート「メトロポリス」について整理する。

  2. イーサリアムの主要なクライアントについて整理してみる。

  3. ライデン(Raiden)はイーサリアムの「スケーラビリティ問題」を解決するのか?

  4. イーサリアム開発者向けイベント「Devcon(デブコン)」の概要について整理してみる。

  5. イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決する「プラズマ」とは何か?

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。